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機械設計の仕事とは?具体的な仕事内容や超基本用語も説明

こんにちは。まるこめです。

先日、「設計に興味あるんだけど、何をする仕事なの?」という質問を目にしました。

そこで今回は、設計未経験者の方向けに、機械設計の仕事について、なるべく具体的にわかりやすく解説していきます。

機械設計とは、メーカーに欠かせない仕事です。

そして、製品をどのような物にするか、詳細を決める役割を持っています。

機械設計とはどんな仕事か知らずに希望職種の幅を狭めるのはもったいないですし

ミスマッチによるストレスも減らせるのではないかと思います。

この記事はこんな人におすすめです。

本記事がおすすめな人

  • 機械設計とはどんな仕事か知りたい
  • CADや図面とはどんなものか知りたい
  • 機械設計の面白さ・大変なことを知りたい

かく言う私も、実は仕事内容をあまり知らないまま就職し、働き始めた後に機械設計とはこんな仕事なんだと理解しました(笑)

ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。

機械設計とは

機械設計とは一言で言うと、メーカーが売り出す商品の「形状」と「材質」を決めるのが主な仕事です。

「形状」とは、商品の形や大きさのことです。

「材質」とは、商品を構成する部品の素材のことです。

設計と聞くと、難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、端的に言えばこれだけです。

商品が何かによって、具体的な仕事内容は変わってくるので、次項で例を紹介します。

機械設計の仕事具体例

ここでは、機械設計の仕事の具体例を説明します。

例① コップの設計

「形状」と「素材」で考えてみましょう。

コップの設計で考える「形状」と「素材」

形状:容量・持ち手の大きさ・保温構造・倒れにくさ(安定感)・蓋の有無 など

素材:重さ・錆びにくさ・保温性・外観・触り心地 など

例えば、女性をターゲットにアウトドア用のコップを発売するとします。

どんなコップにしたいか、思い浮かんできましたか?

これを検討し、形状や素材を確定させるのが機械設計の仕事です。

例② 車の設計

難易度は、先ほどのコップより格段に上がります。

なぜなら、車はコップとは異なり、多数の部品で成り立っているからです。

(安全性などの考慮が必要という点についてはここでは省略します)

この場合、設計者は1人で車1台全体の設計を担当することは困難なので、

車をざっくり複数の部分に分けて、複数人で設計を分担することになります。

(外装/内装/レバー/エンジンなど・・・)

例えば、あなたが車の中でも、座席周り一式を担当するとします。

ここでも「形状」と「素材」で考えてみましょう。

車の座席周りの設計で考える「形状」と「素材」

形状:座面や足場の広さ、座席の高さ、腕置きの位置、シートベルトの位置、シート位置や角度の可動範囲、可動させるレバーの仕組み、可動させたときに他の部品と当たらないこと、シートのクッション構造 など

素材:耐久性、柔らかさ、撥水性、外観 など

コップより一段と難しいことが理解いただけたかと思います。

車などのメーカーでは過去のノウハウが蓄積されているので、それをベースに設計していく形になります。

まとめ

以上、2つの例を紹介しました。

商品による違いについてご理解いただけましたでしょうか。

CAD、図面とは何か

設計の仕事紹介で当たり前のように出てくる言葉、「CAD」と「図面」

これらは機械設計では欠かすことができないツールや手段です。

それぞれについて説明していきます。

CADとは

パソコン上で商品の形状を検討したり、図面(説明は後述)を描く時に使うツールのことです。

CADが無かった時代は、紙とペンを使って手描きで形状を検討していたそうですが、それは大変ですよね。

近年は先ほど示したコップや車も、CADを使って細部まで形状を検討していくのが通例です。

CADは、2D平面で設計を行うソフトと、3D立体で設計を行うソフトがあります。

それぞれ2D CAD、3D CADと言います。

3D CADは2DCADより高性能で、部品同士がぶつからないか(干渉しないか)や強度解析を行うことができます。

世の中にはたくさんのソフトがありますが、ソフトごとに性能や出来ること、使用方法が異なります。

会社によって使用ソフトが異なりますので、汎用的なソフトを使っている方が転職する際にはに有利と言えます。

図面とは

設計をした物は、製作業者や製作部門の方にその通りに作ってもらわなければなりません。

図面とは、設計したものの形状(大きさなど)や材質を詳細に示した書類です。

この書類を通して、設計した内容を正確に伝えることができます。

図面は紙とペンを使った手描きではなく、先ほど説明したCADというツールを使って描くことがほとんどです。

図面を描くには規格(ルール)があり、その規格を知っている人達は同じ解釈で図面を読むことができます。

機械設計の仕事をするのはどんな部署?

メーカーには様々な部署があります。

会社を大きく「総務部門」「営業部門」「技術部門」と分けた場合、

機械設計の仕事があるのは「技術部門」です。

そして、技術と言っても様々な分野があるように、「技術部門」は複数の部署で構成されることが多いです。

以下に部署の分け方の例を示します。

技術部門の部署の分け方 例

  • 専門分野(機械、電気、ソフト等)
  • 業務目的(新製品の開発なのか、既存製品の応用なのか、製品を生産するための技術なのか)
  • 製品の種類

機械設計者は複数の部署のうちのどこかに配属されますが、

ここで大事なのは、機械設計者の役割や仕事の目的が「各部署で微妙に異なること」を認識・理解しておくことです。

そこで一般的な部署名から推測できる、各部署の役割を以下で説明します。

開発部

新製品や新技術の開発に取り組む部署です。

設計者だけではなく、新製品の開発を企画・推進する人がこの部門に含まれることが多いです。

開発部で、機械設計者は、設計だけしていればよいのではありません。

企画者を手助けしたり、あるいは設計者自身が企画者になり、新製品を設計し、企画を推進していきます。

そのため、企画資料の作成や他部署への製品の説明など、設計以外の仕事の割合も多くなります。

企画段階から携わることで、新製品の設計に自分のオリジナリティを加えることができるのが魅力と言えます。

設計部

設計に特化して取り組む部署であり、各専門分野の設計者しかいない部署です。

設計部の仕事は、例えば新製品の開発であれば企画者から、客先ごとの設計は営業から、依頼を受けて行うスタイルになります。

そのため、開発部に所属するよりも、設計に特化して取り組むことができます。

ただし、設計の依頼者とのやり取りは必要であり、製品に依頼者の意図を反映することが重要です。

生産技術部

メーカーにおいて、自社の製品を生産するためには、機械設備が必要です。

生産技術部では、それらの設備を設計します。

会社や生産内容によって、自社の設備を自社で設計する場合もあれば、他社に設計委託する場合もあります。

他社に設計委託する場合、設計概要や要望を伝え、打合せをしたり、

できあがってきた図面が要望通りになっている確認するのが仕事になります。

番外編 デザイン部

デザイン部は、製品の「形状」と「素材」を洗練しデザイン性を向上することで、

お客様の満足度や製品の使用感を上げること等が目的となります。

気が付いた方もいると思いますが、製品の「形状」「素材」を考えたり、CADを使って図面を描く、という面は機械設計と同じです。

しかし、機械設計とは仕事の目的が異なります。

機械設計はデザイン性ではなく、性能や機能・生産性を主な目的とする場合が多いです。

機械設計者とデザイン設計者は協力して、互いの目的を理解・調整をしながら設計を進めていきます。

設計して終わりではない!機械設計の仕事

これまで、機械設計の基本的な仕事内容について説明してきましたが、

機械設計の仕事には「設計」以外に大切な仕事があります。

それは、「設計した製品の確認」です。

設計製品の確認

どのような立場で機械設計を行う場合でも、設計して終わり!という訳にはいきません。。

設計した製品は、設計者が描いた図面などをもとにできあがってきます。

そのできあがった製品は、思ったように出来上がっているでしょうか。

例えば、仕事具体例①で示したコップの設計であれば、

  • コップの持ち手に指が入らなかった
  • コップの角が鋭利で怪我をしそうだ
  • コップが重すぎて片手で持ちつづけるには不向き

など、物ができあがってから気が付く修正点があると思います。

上記のような課題点を確認し、修正するのも、機械設計者の重要な仕事です。

このように問題点を改善を繰り返すことで、販売する製品の仕様を確定させることができます。

設計者としての経験やスキルも上がっていきますよ。

面白さ・やりがい

機械設計7年目の私が考える、機械設計者の「面白さ・やりがい」についてまとめてみました。

  • 知識が増える

勉強することに終わりはなく、やればやるほど経験と専門性がついてきます。

  • アイデアを出す楽しさ

物の形状を考えたり、閃きが楽しいと感じられます。

  • 社会貢献を感じられる

考えたものが形になり、社会で使われます。

  • 達成感が得られる

製品開発はチームプレーです。様々な部門や他社の人と関わり、達成感を共有できます。

大変なこと

機械設計7年目の私が感じている、機械設計者の「大変なこと」については、以下のような内容になります。

  • スケジュールに左右される

仕事なので、「いつまでに」という納期がもちろんあります。

新製品の開発であれば、複数の製品を担当すれば、各製品の開発スケジュールに追われることが多いです。

一方で、客先毎のオーダーメイド設計であれば、客先のスケジュールが前後することが多いので、臨機黄変な対応が求められます。

  • 製品の品質・安全性への責任感

製品は多量に生産しても品質が安定していること、また、製品を使うユーザーなどにとって安全であることが必要です。

会社の中で製品の品質・安全性のためのノウハウが積まれている場合は、それに従って設計すれば基本的に問題ないですが、

社内で初めて開発する製品では、重々に注意し設計することが必要です。

  • 異なる部門の意見の調整力が必要

機械設計は、様々な部門の異なる意見を集約して設計することが必要です。

例えば、営業から「こうしてほしい!」要望をそのまま反映しても、生産部門から「生産に時間がかかるからNG」等と言われることがあります。

機械設計は、製品の機能や性能を考えるだけではなく、部署間の意見の落としどころを見つけて設計に反映するのが難しいところです。

まとめ

ここまで、機械設計の仕事について具体的に説明してきました。

興味を持っていただければ嬉しいです。

今後、機械設計の仕事内容について、以下のような関連した記事をアップする予定です。

機械設計の関連記事(予定)

  • 2DCAD, 3DCADの違い
  • 量産設計とオーダーメイド設計の違い
  • 大企業と中小企業での働き方の違い
  • 女性の働きやすさ

どの記事についても本記事のように具体的に説明させていただく予定にしています!

また参考にしていただけますと嬉しいです。

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